米国税理士(EA)の資格について
米国税理士(Enrolled Agent)は、1884年に誕生したアメリカでもかなり歴史のある公的な専門資格です。
アメリカ連邦税のスペシャリストであり、その資格は連邦政府から付与されるもので、全米で業務を行うことができます。
本書は、Enrolled Agentの制度、資格の取得方法や学習方法を述べ、最近話題となっている確定拠出型年金401(k)プランの概要も紹介しました。
レビューを見る
国際資格のようで、実は国際的でもないマイナーな資格
試験概要
受験資格
特になし
試験日
9月
試験科目
個人所得税、個人事業税およびパートナーシップ税など、4パートからなる(マークシート)
合格率
4パートそれぞれに受験者の上位3分の1が合格。
ただし、一定の正解率があるパートは次回受験時に免除の措置あり。
試験傾向
基礎知識の確認
米国税理士(EA)の資格を取得するには
日本の税理士試験よりははるかに簡単。難問奇問もなく、半年ほどの勉強で一発合格可能。
マークシートによる選択問題なので、必要とされる英語力もそう高くない。
日本国内で受験できる。
米国税理士(EA)の資格についての誤解
資格マニアでもないかぎり、知る人も滅多にいない米国税理士(EA=エンロールド・エージェント)。ただ、国際系資格ブームを煽るスクールの宣伝などで、誤解されやすい部分があるから、あえて取りあげることにした。
結論からいうと、「一般の日本人にはあまり意味がない資格」である。
そもそも米国には、日本の税理士のような税務代理の独占資格は存在しない。
登録さえすれば原則的に誰でも税務関連業を営むことができる。
この背景には、日本のものとは大きく異なる米国の税制がある。会社員の所得税天引き制度などがなく、一定以上の所得がある個人は、すべて自分で所得税の申告をしなければならない。
そのため、その代理業務を税理士に独占させるわけにはいかないのだ。
「米国税理士」を日本の税理士の米国版とイメージしないこと。
もともと税制は国ごとのローカルルールなのであり、「米国」税理士といえども、グローバルスタンダード資格とはならないのである。
もうひとつ注意すべきなのは、会計ビジネスがさかんな米国内でも、EAの社会的認知度は低いということ。
会計業界を志望する学生ですら、その存在を知らないか、知っていても取得希望者は少ないと言われている(多くは活躍の場が広がるUSCPAや弁護士を目指す)。
実際にEAを取得しているのは、IRS(米国の内国歳入庁OB)がほとんどだ。
要は年金をもらいながら小遣い稼ぎ的に申告代行をするオジサン向け資格なのである。
米国内でなら、個人や小規模企業を顧客にそれなりに仕事はあるようだが、ビッグビジネスはUSCPAなどを多数抱える大手会計事務所が独占している。
あえて日本人がEAを取得する意味は見つけにくい。
強いていえば、米国税制の知識が必要になった日本の税理士やサラリーマンたちの勉強の目安にならなる、といったところだろうか。
もしこの資格を生かしたいならば、国際的な経営・税務コンサルタントとしての道を選ぶか、日米双方の税制度に精通したエキスパートとして企業内でポジションを得るか、なのである。
EA取得者が日本で税理士業を営むことは、当然できない。
資格試験の難易度は、日本の税理士資格のものとは比較にならないほど低い。
実際の複雑な業務をこなすには、EA合格レベルをはるかに超えた知識や実務経験が必要だ。
マイナー資格がマイナーであるのには、それなりの理由が必ずある。
わけもわからず、無駄なエネルギーを投資しないこと。
その他の経理・経営系資格
経理・経営系のものをあげれば、米国公認管理経営士(CMA)、米国公認内部監査士(CIA)、米国証券アナリスト(CFA)など。
しかしこれらも、多くの国際資格がそうであるように、履歴書の武器になるライセンスというよりも、関連業務にすでに就いているひと向けの勉強の目安と考えたほうがいい。
また、やや視線を広げ、ビジネスキャリアを積み上げるという観点から見ると、情報工学系の大学院、またロースークルヘの海外留学がこれから注目を集めるはず。
こちらはMBA同様、かなりハードな道となる。
お気に入りのブックマーク・RSSに登録 »
関連記事
サイトマップカテゴリー:国際ビジネス系資格
トラックバック(0)
http://blog.shigoto-shikaku.com/mt/mt-tb.cgi/2795



