米国公認会計士(USCPA)の収入は?
グローバル化が進む中で、英文決算書を作成したり、読みこなすことのできる人材が求められている。
本書は、英文会計の初歩から、英文会計の最高資格であるUSCPAまでをサポートする。
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監査法人に入るか、自己啓発の道具とするか
JCPA取得者のほとんどが大手監査法人に就職するのに対し、USCPA取得者の生息分布は幅広い。
これは彼らの動機や目的が多様であること、JCPAに比べると取得が容易であることに対応している。
とはいえ、特に20代の有資格者の就・転職先としては、大手監査法人の人気が高い。
資格取得の過程で学んだことを直接生かすことができる上、安定性もある職場だからだ。
監査法人がここ数年、人手不足からUSCPAをかなり積極的に採用したことも、この流れを加速させている(JCPAが急増する今後はわからない)。
だが、監査法人ではJCPAの下働き的な地位に甘んじているUSCPAがかなりいる。
この資格取得者の力をどう生かしていくか、はっきりしたビジョンを持たない職場では、当然のことながら資格の専門性を発揮しにくいだろう。
監査法人もホンネでは、玉石混済度が高いUSCPAの「石」の「誤採用」を恐れているようだ。
監査法人以外で、USCPAの専門性を生かせる職場は、外資系企業や日本の多国籍企業の財務経理関係である。
実際、ここに吸収される有資格者たちの率は高くなっている。
規模や業種、待遇など、希望するレベルの会社に入れるかどうかは、それまでの職務経験による部分が大である。
財務経理業務は経験から学ぶ要素が強いので、実務経験なしで就職活動をしても苦戦する。
外資系企業はことさら即戦力を優先している。
米国産だからといって、アメリカ資本の会社が資格そのものを評価してくれるわけではない。
一からキャリアを積み直す覚悟があるなら、それなりに有効な資格なのだが、この資格を持っているだけで「いい会社でいい仕事ができる」と考えたら、それは甘い夢だ。
なお、30代以上のUSCPAには、社内での自分のウリを補強するために取得したというパターンが多い。
典型的なのは銀行、証券など金融系の会社員が、それまでの仕事の延長線上で取得するというもの。
USCPAの勉強は、財務分析の基礎として役に立つと言われている。
いわば自己啓発目的の取得。
外資系金融、コンサルティングファームなどへの転職にあたり、USCPA資格に期待をかける「プロ」はまずいない。
職務経験の質によってピンキリな収入
監査法人に就職した場合、JCPAとUSCPAの資格の違いで給料差がつけられることはあまりない。
昇給も勤続年数とキャリアの段階によって決まる。
ただし「ビラ」の身分の先、USCPA社員が出世のコースに乗れるか否かは、該当者が少ないので未知数だ。
若い有資格者の多くは、一生そこに勤めるのではなく、監査法人での経験をステップボードにいずれ転職を考えている。
一般企業の財務経理職で働いているUSCPAたちは、要するに一般のサラリーマンである。
どういった会社のどのようなポジションにいるか、本人の経歴と年齢はどうか、などによって収入額は異なる。
職務経験もない若いUSCPAだと、派遣社員のような形からスタートを切らざるをえない場合もある。
それでもおおよそのところを例示するなら、30歳前後のメーカー勤務で年収500万円、外資系なら600〜700万円あたりがボリュームゾーンだろうか。
大手金融会社勤務の自己啓発系USCPAの収入は、当然もっと上である。
資格手当的なものは期待できない。
USCPAの総人数も増えてくることから、「USCPAの値打ち」自体が上昇していくこともないと考えられる。
サーティフイケイトとライセンス
厳密にいうと、試験の合格はそのままUSCPAを名乗れることを意味しない。
原則として「USCPA」と名刺に刷るためには、さらに倫理試験を受けるなどしてサーティフィケイト(資格証明書)を取得する必要がある。
また米国内で会計事務所の開業までを視野に入れた場合は、実務経験を積んでライセンス(営業許可証)を取得しなければならない。
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