弁護士の資格(司法試験)と仕事内容
公法系科目(日本国憲法/国家賠償法/個人情報の保護に関する法律/国会法/公職選挙法 ほか)/民事系科目(民法/民法施行法/電子消費者契約及び電子承諾通知に関する民法の特例に関する法律/消費者契約法/立木ニ関スル法律 ほか)
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社会正義よりもビジネス界でのエリート志向が増えている
試験概要
受験資格
大学に2年以上在籍し、所定単位数を取得。
または一次試験合格者
試験日
短答式 → 5月
論文式 → 7月
口述試験 → 10月
試験科目
短答式 → 憲法、民法、刑法
論文式 → 憲法、民法、刑法、商法、民事訴訟法、刑事訴訟法
口述試験 → 憲法、民事系、刑法、民事訴訟法、刑事訴訟法
試験傾向
極めて高度な論理的思考能力を試す傾向が強まっている。論文式が天王山。
合格率
短答 → 論文 → 口述と、合格者のみ進める。
口述段階の不合格者は、翌年に限り短答と論文が免除。論文式全体の合格率は約3%
弁護士の仕事内容
急激で強引な制度改革によって、司法試験まわりは混乱中だ。
志望者もさまざまな面で混乱しているだろうが、試験やロースクールについては後の機会に解説する。ここではこの資格を取得してから先について概観しておく。
試験がどうなろうが、一番大事なのは仕事の中身である。
司法試験に合格し、司法修習生期間を経ると「法曹三者」になる資格が与えられる(少なくとも弁護士にはなれる)。
裁判官、検察官、弁護士の三者がそれにあたるわけだが、ここでは司法修習生の脅8割が進路先に選んでいる弁護士をとりあげよう。
いわずと知れた、しかし知られざる実態もかなりある自由業だ。
我々が弁護士の仕事でまず連想するのは、裁判所の法廷で殺人事件などの被告人の弁護をしているあの姿。
あるいは金の貸し借りや離婚などで、対立する双方のケンカの代行をやってくれるあの立場。
細かな説明は省くが、前者のような訴訟事件を「刑事」、後者を「民事」という。
犯罪者に刑罰を科す国家権力に対抗する刑事業務は、まさに弁護士の仕事!
という感じだが、金にはあまりならない。
よって、これを専門にしている弁護士は少ない。
対して、個人や法人のさまざまなトラブルに関わる民事業務は、多くの弁護士が主な業務として扱っている。
刑事事件よりも圧倒的に数が上だし、金になりやすいからだ。
だが、バブル期以降、刑事や民事以外の新しい業務が注目を集めている。
若手弁護士に人気の「法務」という仕事である。
法務の依頼者は各種の法人、つまりは会社だ。
たいていの大企業の中には法務部があるが、その業務を弁護士が社外の専門家として請け負うのである。
会社にとってはある種のアウトソーシング。民事に比べ、一件あたりの報酬の桁が違う。
法廷に立たなくても仕事になる?
法務業務を主に扱う弁護士を、業界内では「渉外弁護士」と呼んでいる。
「渉外」とは、国際的な法律関係の実務のこと。
なぜ、法務=渉外なのかは、日本の企業が外部の法律専門家を必要とする場合の多くが、海外進出や外国企業との取引などで「英語を使った法律業務」が発生する局面においてだからだ。
日本語だけで事足りる日常法律業務は、自前の法務部員だけでもほぼこなせる。
が、法律英語を駆使せねばならぬ業務となれば、やはりそれ専門の弁護士に任せたほうが効率的に処理できる。
企業社会内のトラブルは内容が複雑なのに短期間での解決が望まれるため、弁護士ひとりで対応することは難しい。
だから、「渉外事務所」は一般の弁護士事務所よりも規模が大きい。
新人弁護士の受け入れ口としてはすでにメジャーな場所となっている。
また、体力のある大企業やベンチャー企業、外資系企業の一部は、社員として弁護士を雇い、法律実務から総会屋対策までを担当させている。
そうした「企業内弁護士」もいる。
渉外弁護士は、司法試験合格者枠の拡大でますます増えていくだろう。
いわゆる産業社会の欧米化、訴訟社会化というやつが進めば、弁護士のあり方の主流になっていくかもしれない。
企業内弁護士はまだ特殊な存在だが、こちらも急増すると思われる。
彼らの仕事の基本は、「いかにその会社を儲けさせるか(損をさせない)」だ。
経営コンサル的な側面も有する。ときの景気に左右される「商売」でもある。法廷に立たなくても仕事になる。
刑事業務で「社会正義を追求する」のとはだいぶベクトルが違う弁護士スタイルの台頭なのである。
その評価には賛否両論あるだろうが、司法試験が新しいビジネスエリート世界へのパスポートとして機能しはじめていることは、間違いない。
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