医師の収入は?
第96回医師国家試験復元問題解説
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ようやく適正価格化?
「金持ちになりたいから医者にした」。今でも、ケロリとそう言ってのける医学生がいる。
けれども、薬価差益問題や保険システムの危機などに対応した医療費削減政策の結果、医師のボロ儲けは過去の話となりつつある。
新人医師の7〜8割方が選択する勤務医の場合、その給与は実は80年代から上昇なしというデータもある。
若手で600〜800万円、中堅で1000万円台、雇われ院長だと2000万円が年収のボリュームゾーンだと、よくいわれている。
最近、変化してきたのはバイトの減少だ。
研修医や若手医師らは日当6万、夜勤4万が相場という他病院でのバイトに精を出していたが、これが数も額も減ってきた。
また、かつては医師不足に悩む地方が、年収数千万の甘い飴で医師を誘致するケースが多かったが、これも急減。
スタート時が高年齢なので、勤務医の生涯貸金は高給サラリーマンより下だとみるべきだろう。
平均年収が2〜3000万ともいわれる開業医となるには、当然、巨額の開業資金が必要となる。
都会で開業するには親の病院を引き継ぐ以外に、ほぼ道はない。
医師会などが「ホームドクターを持ちましょう」と盛んに宣伝しているが、親の金で医師になった私大卒のボンボンばかりが町医者になる(なれる)という構造では、質の問題があるはずである(もちろん、二流私大卒でも有能な医師がいることは認める)。
「それでも医者になりたい!」という人間はどんなタイプなのか。
受験科目が近いため、「回り道組」には国立の理科系学部卒が多いようだが、文系卒も少なくはない。
社会人の場合の前職は、エンジニアから営業マン、マスコミ関係者と多種多様。
年齢も20代後半からの再入学や編入はザラという感じで、30代、40代のチャレンジャーもけっこういる。
人間的には個性派ぞろいだ。
ハンディだらけ、リスクだらけの「回り道組」である。
しかし、医療業界で今なお、絶対的な権限を握っているのはまぎれもなく医師だ。
単なる金銭欲や名誉欲にとどまらない次元で自分を貫いてきた人間は、きっとーいい医療のリーダーになれるはず。
ことに臨床医の仕事は生身の人間相手のコミュニケーション業だ。
単なる偏差値優等生や世間知らずのボンボンではない、「世間を身体で感じてきた」タイプだからこその活躍が期待できる。
「ボロ儲けは過去の話」と書いたが、それでも他の医療系資格取得者と比べたならば、飛びぬけた待遇にあることはたしか。
また、医療行為のほとんどは医師にしか許されておらず、その業務独占ぶりは過剰かもしれない。
他の資格で開業権のあるもの、保険を使えるものはほとんどなく、そららの点でも医療制度改革が必要だ。
これから医師になろうという卵たちには、少なくともそうした権力者としての自覚を求めたい。
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