中小企業診断士
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国が認める唯一のコンサルタント資格。
ビジネスマンに人気の日本版MBA資格に将来はあるのか。
中小企業診断士の仕事
国家が認める唯一のコンサルタント資格である。
地方公共団体から依頼された公共診断等を主要な業務とするが、平成13年の試験制度の改正によって診断士の役割にも変化が見られた。
新制度の下においては公共診断以外にも民間企業の診断、コンサルタント業務等を広く受け持つようになったが、「名称独占資格」であり、
弁護士や公認会計士などのようにその資格を持っていなければ業を行うことのできない「業務独占資格」とは異なる
試験の概要
サラリーマン、特に金融機関の方に人気のコンサルタント資格である。
平成13年に試験制度が改正になって、それまであった商業部門、工業部門、情報部門といった部門がなくなり、中小企業診断士として一本化された。
また、同時に2次試験に口述試験も追加された。
試験科目は、
1次試験が1日目、経済学・経済政策、財務・会計、企業経営理論、運営管理 (オペレーション・マネジメント)、
2日目が、経営法務、新規事業開発、経営情報システム、中小企業経営・中小企業対策・助言理論の計8科目である。
1次試験はマークシート方式の試験で総得点の60%以上が合格ラインで、1科目でも40%未満の科目がある場合は不合格となる。
オールラウンド型の資格試験である。
2次試験は、中小企業の診断および助言に関する実務の事例I、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳの筆記試験となっている。
また、当該年度の2次試験筆記試験合格者について、筆記試験の事例などを基に個人ごとに面接が行われる。
平成14年の1次試験で初めて受験者数が1万人の大台に乗った。
また、平成13年の試験制度改正で1次試験の合格率が一時的に50%を超え、一見易しくなったような錯覚があるが、
逆に2次試験の合格率は旧制度の20%弱から10%程度と旧試験より難しくなっている。
試験では1次と2次の筆記試験さえ通れば、よほどのことがないかぎり口述試験や3次の実務補習・実務従事で落とされることはないと考えられていたが、
平成14年度は、10数名が口述試験で落とされているので注意が必要である。
試験に合格するためには、最低1年間はしっかり勉強しなければならない。
合格までは、最低でも700時間程度は必要である。
また、試験科目が8科目と多いため広範な知識が要求される。
税理士のようにコツコツ1科目ずつ取っていけばいいという資格試験ではなく、一発勝負の博打的な性格も持つ。
試験に受かるための努力と要領の良さの両方を持ち合わせていないとなかなか通りにくい。
合格の有効期間については、1次試験が合格後2年間、2次試験合格後が3年(口述試験は、当該年度のみ有効)となっている。
つまり、1次に通っても翌々年までに2次に通らないと、最初からやり直しとなって1次試験から再度受け直しとなってしまう。
税理士のように合格科目を積み上げていけば資格が取得できるといった試験制度の優遇措置がなく受験上のリスクもある資格である。
中小企業診断士の仕事の特徴
中小企業診断士の登録者は、現在、2万以上である。
診断士は税理士などと異なり、資格を取得しても企業内にとどまって企業内診断士となる人が多く、独立・開業する診断士は非常に少ないというデータがある。
古いデータで申し訳ないが、独立・開業の診断士はわずか、12.9%である(平成13年中小企業庁調査)。
独占業務がないため、独立しにくいという側面を持った資格である。
資格取得の動機も「自己啓発のため」というのが、63.8%(平成10年㈲中小企業診断協会調査)ともっとも多い。
このように診断士は、資格を取得してコンサルティングファーム等で経験を積む人もいるが、いきなりプロコンサルタントなどになるケースは少なく、実際は会社員としてそのまま企業内にとどまるケースがほとんどである。
診断士には、なぜそのような傾向があるのだろうか。
診断士は比較的、高学歴者の受験者が多い資格といわれているが、経営全般の知識を身に付けるためには最適の資格であっても、
資格自体が独占業務を持たないために独立・開業向きの資格ではないというのが一般的な評価である。
診断士が、独占業務を持つ税理士や司法書士、社会保険労務士に比べて比較的弱い立場にあるのは否めない事実である。
独立・開業の診断士の収入は、年収数百万円の診断士から年収1000万円を超える診断士まで千差万別となっているが、法律に守られていない分、実力本位の世界と言える。
年収数千万円稼ぐ診断士も中にはいるが、その内訳は著作物を出版したり、講演が主たる業務の診断士がほとんどである。
一般的に、独立診断士の仕事は民間企業からのコンサルティング業務と公的な機関からの診断指導業務に分かれるが、独立して間もない診断士には民間企業からの依頼などないと考えたほうがよい。
ただでさえ業務分野の明確でない診断士に対して、確固たる専門分野を持たない診断士にクライアントは付かない。
また、地方自治体は各都道府県ごとに中小企業支援センターを持っているが、経営アドバイザーや高度化アドバイザー等に登録しても、実際の仕事はほとんどないのが実情である。
独立してすぐに仕事にありつけると思ったら大きな間違いである。
中小企業診断士は、資格イコール仕事とはならないところに怖さがある。
独立しても最初は仕事がない診断士がほとんどである。
最初から順調に仕事が取れる診断士は独立開業前から入念に準備をしているのである。
中小企業診断士の将来性
前述したように、中小企業診断士の場合、独立・開業をしても安定した生活ができる保証はない。
診断士の社会的評価が高いのは、あくまで企業内のことである。
診断士受験で勉強した経営理論やマーケティング等の知識を会社での実務に役立てるほうが賢明である。
診断士で学んだことは企業のどこの部門でも比較的応用が利くので、診断士の資格は企業内で生かすことがベストである。
また、コンサルタントの分野でも将来的に、公認会計士試験が簡素化されることが決定している。
こういう状況下で、コンサルタント業務をメインの仕事とする独立・開業の診断士の将来も明るいとは言えない。
独立・開業しようと思ったら、会社にいる間に何か他の追随を許さない独自の専門分野をしっかりと作っておくことである。
独自の専門分野を持たない診断士ほど、最後はよろず屋のようになってしまう恐れがあるのだ。
それでは、診断士の資格を取得すると転職や就職に有利なのだろうか。
これも実は確固たる保証はない。
金融機関の人間であれば診断士資格を持っていることで、会社からも取引先からも一目置かれるようなことはあるが、それと採用の条件とは別と考えたほうがよい。
診断士の場合、ゼネラリスト資格であるだけに、専門性が薄く資格取得が即就職や転職の条件にはならないと考えたほうが賢明である。
中小企業診断士の資格を取得するには
中小企業診断士には別のルートで資格が取得できる制度がある。
中小企業総合事業団中小企業大学校東京校の行う1年間の中小企業診断士養成課程を終了する方法である。
養成課程は、4月開講と10月開講の2コースである。
募集人員は、各100人となっている。
受験資格は年齢制限等はないが、
(1)大学卒業程度の学力を有する、
(2)心身とも健康である、
(3)3年以上の実務経験がある、
(4)簿記、会計の基礎がある、
(5)情報に関する基礎知識がある、
等が条件である。
試験は、筆記試験と面接試験からなる。
応募者数は公表していないが、例年倍率は2.0倍程度であるという。
試験科目は、(1)経済一般、(2)中小企業の動向および施策、(3)企業経営に関する知識の3科目である。
受講料は、135万円だが、このほか別途合宿費が50万円程度必要である。
養成課程終了後は、ほぼ100%に近い人が中小企業診断士資格を取得できる。
また、この制度は公務員や団体職員などに特別開かれているものではなく、地方銀行、信用金庫等民間企業からの派遣が多いが、最近では個人での参加も増えているという。
1年間という長期間なので職場から派遣されるケースが多いが、やる気と1年間生活できるだけの経済力がある人はチャレンジしても面白い。
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