宅地建物取引主任者
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国民総生産の3分の1は不動産。
ただし、独立・開業には相当な自己資金が必要。
企業内や転職に生かす資格。
宅地建物取引主任者の仕事
宅地建物取引主任者は、不動産取引において、(1)物件に関する重要事項の説明、(2)重要事項説明書への記名・押印、(3)契約書(37条書面)への記名・押印等を業務とする。
宅建業者の3つの業務とは、不動産の売買・交換を自分で行うこと、不動産の売買・交換を代理・媒介すること、不動産の賃貸借を代理・媒介することである。
試験の概要
試験科目は、土地建物の権利と権利移動関係の科目の民法、土地建物の法令上の制限の分野の法令制限、宅地建物取引業と関係法令の宅建業法、その他の関連知識からなっている。
問題数は50問、試験方法は四肢択一方式である。
最近5年間の合格ラインは30〜34問となっているが、実際は競争試験であり上位15%程度がほぼ合格圏内である。
宅地建物取引主任者試験は毎年15万人以上が受験する人気ナンバーワンの国家資格である。
バブル期全盛の平成2年には、不動産過熱ブームとともに実に34万人が受験をしたが、近年の受験者数は17万人前後で落ち着いている。
受験資格も特になく行政書士同様、誰でも受験できる。
試験は、毎年10月の第3日曜日、午後1時から3時までで実施される。
試験日と科目が近いために、翌週の行政書士試験を併願する人も多い。
宅地建物取引主任者の試験はいわゆる一発試験であり、行政書士試験と異なり科目ごとの足切り等もなく、得意分野で高得点を上げれば合格可能性は高まる。
不動産関係や建設関係だけでなく、学生、主婦等にも広く人気のある資格である。
合格までの勉強時間は早い人で300時間程度といわれている仕事を持ちながらでも十分取得可能な資格である。
宅地建物取引主任者の筆記試験の合格発表は例年、その年の11月下旬から12月上旬にあるが、主任者登録には2年以上の実務経験が必要である。
実務経験がない場合は、翌年2月〜5月に行われる�虚s動産流通近代化センター主催の実務講習を受講しなければならない。
試験合格後1年以内に宅地建物取引主任者証の交付を申請した場合、宅地建物取引主任者証が交付される。
もし、試験合格後1年以上が経過してしまった場合は、法定講習を受講しなければ主任者証の申請ができない。
宅地建物取引主任者の仕事の特徴
宅地建物取引主任者は、「宅地建物取引業者1つの事務所ごとの従業員5人に1人の割合で、専任の取引主任者を設置しなければならない」という規定があり、業界としての需要は恒常的にある。
また、中小の不動産業者は比較的人材の出入りが激しく常に新たな宅地建物取引主任者を必要としているため、
中小の不動産業者であれば宅地建物取引主任者の資格は就職や転職の際の一応の武器となる。
しかし、ひところのバブル期の宅地建物取引主任者資格取得の狂乱ブームで、資格保有者の数は70万人程度といわれ、資格そのものの希少価値は少ない。
また、宅地建物取引主任者の資格は宅地建物取引業に必要な資格であり、独立・開業をしても他の業者との明確な差別化が進めにくいという一面がある。
独立から開業まで
宅地建物取引主任者の免許申請の際には、1000万円の供託金を支払って開業という手もあるが、一般的には開業しようとする都道府県の宅地建物取引業協会に入会し、かつ保証協会に入会するケースが圧倒的に多い。
このほか、不動産政治連盟という会員の権益を守る団体へ入会することになっており、各都道府県によって若干差はあるものの、総額で200万円程度は開業資金として必要である。
また、会費として宅地建物取引業協会、不動産政治連盟に年間10万円程度を支払う必要がある。
そのほか、事務所の家賃、通信費、光熱費、宣伝費等がかかるので、宅地建物取引業を営む場合は、他の士業に比較して格段に自己資金が必要である。
全国には約14万人の宅地建物取引主任者がいるが、需要と供給の面から都市部に宅地建物取引主任者が集中する傾向がある。
その中で他の宅建業者と競うこととなるので、不動産情報の収集やネットワークづくりやコネクションが大切なのはいうまでもない。
また、不動産に関する法律の改正は頻繁にあるので、日々勉強も怠れない。
独立・開業後もかなり自己研鑽が必要であることを覚悟しておきたい。
このため、独立・開業する人は、実家がもともと不動産業を営んでいたり、先祖代々土地を所有していて土地の有効活用を考えていたりする場合が多く、
このようなケース以外で資格取得後即独立・開業というパターンは思いのほか少ないと考えられている。
企業における有資格者は、不動産、建設、金融関係の企業が合格者の大半を占めることから、資格を取得して独立するよりも企業内で日常業務に生かしたり、
さらに転職して、ステップアップするために資格を取得する人が多い資格である。
宅地建物取引主任者の報酬体系については、不動産の適正な価格を保持するために、法律によって報酬の最高限度が決められている。
売買・交換にかかわる宅建業者の報酬上限額は、以下のとおりである。
例えば、200万円の不動産取引の場合は、
200万円×0.05=10万円 −(1)
400万円の不動産取引の場合は、200万円×0.05=10万円 −(2)
200万円×0.04=8万円 −(3)
(2)+(3)=18万円
(注)
| (1)総価額の200万円以下の部分について | 100分の5 |
|---|---|
| (2)総価額の200万円をこえ400万円以下の部分について | 100分の4 |
| (3)総価額の400万円を超える部分について | 100分の3 |
ただし、課税業者の場合、5%の消費税が加算される。
また、取引額が400万円を超える場合については、総価額の3%と報酬上限額の差が一定で6万円であるので、次の速算式で報酬上限額を求めることができる。
総価額×0.03+6万円=報酬上限額
200万円の取引の場合は宅建業者の報酬額は10万円、400万円ならば18万円、2億円の取引ならば606万円が宅建業者の仲介手数料となる。
2億円の取引の場合は、
2億円×0.03+6万円=606万円となる。
上記の報酬額だけ見ると、取引の額が多ければ仲介手数料の額も大きく宅建業者の報酬はかなり多いと勘違いしてしまうが、
実際は大口の取引はそう頻繁にあるわけでなく、案件の数もバブル崩壊以降は減少している。
一般的な宅建業者は大口の取引で一攫千金を夢見るのではなく、マンション等の仲介業務を主要な業務としている。
大口の取引に携われなくても、地域に密着し、地道に仲介業務に取り組んでいる宅建業者は1件当たりの仲介手数料の額は多くないが、全体の報酬額は一定期間を乗り切れば安定したレベルには達する。
宅地建物取引主任者の将来性について
宅地建物取引業界は、バブル経済崩壊以降低迷しているとはいえ、生活の基盤である「住」を扱う業種である。
個人の住宅取得や買い替えの需要は恒常的にあるし、企業の設備投資の際にも住宅の需要は必ずあるといわれる。
しかし、日本経済の本格的な景気回復が遅れている現在、都市圏では地価の下げ幅はひところに比べ改善されて回復の兆しが見えるものの、
地方では依然として地価の下げ止まり傾向に歯止めがかからない。
地価が適正価格水準に戻れば不動産市場も活況を取り戻すといわれるが、それがいつになるかは今も予測できない。
このような状況下でも、一般の不動産取引業務については恒常的な需要があるといわれているが、「2003年問題」と呼ばれる汐留地区や六本木の再開発が契機となって、都心の事務所等の供給過剰問題が残っている。
大型ビルの大量供給がほぼ峠を越したといわれる一方で、都心周辺地城や地方都市のオフィス空洞化現象は今も進んでいる。
そのため空きテナント対策など宅建業界にも厳しい状況が続いている。
一部のマンション業界などが堅調なこともあるが、今なおバブル期の水準までは程遠い。
しかし、日本においては国民総生産の3分の1以上を不動産が占めている現況を鑑みると、宅建業者をはじめ不動産業者の活躍の場がなくなることなどは将来もありえない。
地元に密着し、新たなサービス業として「住」に関するトータルアドバイザーとしての役割がこれからの宅建業者には望まれている。
この業界も生き残りが厳しいが、これを契機にして新たなビジネスチャンスをつかみたい。
宅地建物取引主任者になるためには
宅地建物取引主任者になるためには、試験を受けて合格する以外は無試験で資格を取得することはできない。
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