税理士
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毎年、税務職員OBの参入で高齢化が止まらない業界体質。
独立・開業には暖簾分け制度があり、開業までの苦労が多い。
税理士の仕事
税務官公署に対する税法や行政不服審査法の規定に基づく申告、申請、請求、不服申し立てなど税務調査や処分に対する主張について代理、代行する税務代理、
税務官公署に提出する申告書や申請書等の書類を作成する税務書類の作成等の独占業務を行うとともに、コンサルティング業務である税務相談や会計業務、
租税に関する訴訟の補佐人等の付随業務が主な仕事である。
試験の概要
試験科目は、11科目あるが、会計科目の簿記論、財務諸表論は必須となっていて、必ず取らなければならない。
また、所得税法か法人税法は、いずれか1科目の選択必須科目となっているが、その他の科目は一定の制約はあるが比較的自由に選択できる。
以上の条件で、5科目合格した時点で官報合格者として晴れて税理士試験合格者となることができる。
受験資格は、(1)学識によるもの、(2)資格によるもの、(3)職歴によるもの、(4)認定によるものとある。
(1)の学識によるものは、大学、短大、一定の専門学校卒業者等を指す。
(2)の資格によるものは、日商簿記1級または全経簿記検定上級の合格者を指す。
(3)の職歴によるものとは、3年以上の実務経験者等を指す。
(4)は、税52理士審査会より受験資格に関して個別認定を受けた者である。
税理士試験の特徴は、受験期間の制限といったものは特になく、毎年1科目ずつでも取得していけば、比較的長い年月をかけても取得可能なことである。
科目ごとの受験者の合計は年間5万人を超え、名実ともにメジャーな資格の一つである。
科目ごとの合格率は、毎年約10〜15%前後で推移している。
科目ごとの合格最低ラインは60%であるが、いずれの科目も上位10%以内に入ればほぼ合格圏内という事実上の競争試験である。
勤労社会人向けの努力型資格の典型であるが、取得までに要する勉強時間は、最低でも2000時間から2500時間といわれている。
取得に要する費用は通学コースで、毎年1科目ずつ取得していった場合でも年間20万円、5年で最低でも100万円はかかる。
資格取得までの期間は最短でも2〜3年、平均では5〜7年程度であり、中には10年計画で取得する人もいる。
取得までは、かなり長い期間を要する資格である。
税理士の仕事の特徴
税理士登録者は、平成15年6月30日現在で、6万6610人となっている。
また、その約8割が、開業税理士である。
公認会計士が資格を取得するとすぐに監査法人に就職するのがほとんどであるケースを考えると、税理士は、独立・開業型の資格と言えなくもない。
税理士事務所の収入は、平均で3000万円を超える。
しかし、これはあくまで、事務所としての収入であり、税理士本人のみの所得とイコールではない。
税理士本人の給料以外にも事務員の給料、事務所の経費等も当然含まれている。
定年がないため、税理士の平均年齢はかなり高く、50歳以上の税理士が全体の70%以上を占めている。
定年がないということは、一方では、税理士業54界において、世代交代がいつまでも進まない、若手税理士が育たないということをも示唆している。
独立から開業まで
税理士は、資格を取得するまで平均5〜7年と時間がかかる上、実務経験を2年以上積んで税理士資格を取得してからも、独立・開業までにさらにある一定期間、会計事務所や税理士事務所で実務経験を積むのが一般的である。
親や親戚が税理士で事務所を開いているなどの特別な事情を除けば、資格を取ったからといってすぐ独立・開業できるわけではない。
一般的な独立・開業の方法は資格を取ってから、あるいは取る前から税務会計事務所に就職し、
一定の期間、税務の実務を習いながら事務所の先生から許しを得て顧客を分けてもらうという「暖簾分け」のスタイルである。
顧客の大部分である中小企業のクライアントは、よほどのことがないかぎり長く取引のある税理士を途中で代えるようなことはしない。
税理士業界にはこのような古い暖簾分け制度が依然として今も強く残っている。
逆に言うと、税理士事務所を開いたからといっていきなり新規の顧客を開拓するのは難しいということである。
税理士事務所同士、互いに領域を侵さないという不文律の下で、事務所同士で共存共栄体制ができあがっているので、現実的には新規参入はなかなか困難である。
また、税法が毎年改正されるために税理士は常に勉強を怠れない。
独立・開業しても自己研接をしなければならないのは他の士業も同じだが、税理士の場合も例外ではない。
さらに、公認会計士も3次試験合格者は登録さえすれば、いつでも税理士の業務に就くことができる。
実際、地方では会計士の資格を持っていても大企業がなく仕事がないので、税理士をメインの業務に据えている人も多い。
このように、税理士業界は常に外部から脅かされる危険性があるので、互いに自分の身を守るために保守的にならざるをえない体質を持つ。
一国一城の主を夢見てこの世界に入ったものの、独立する前も独立してからもこの世界はなかなか苦労が多いようである。
税理士の将来性
バブル崩壊以降、中小企業の廃業率は開業率を上回り、税理士の業務は縮小傾向にあり、仕事もひところに比べ減りつつある。
最近は帳簿等も簡単な会計ソフトが出回り、税理士の出番をさらに減らしている。
また、税理士事務所同士は共存共栄関係にあるので、なかなか新規顧客が開拓しにくいのがこの業界の特徴である。
現在登録されている税理士の約半数は、税務職員OBといわれている。
国税局や税務署等を定年退職して第二の人生として新たに税理士事務所を開く人たちである。
60歳の新人税理士が毎年多数入会し、税理士業界全体としては一向に世代交代が進んでいない。
税理士は、その有資格者の多さからも10年ほど前から飽和状態といわれて続けているがその将来性はどうか。
税理士の報酬も報酬の自由化により、顧問料、決算時の税務申告等の報酬は、単価にしてバブル期を全盛とするとその6割程度に減っているといわれている。
このような中、明るい話題がないわけではない。
22年ぶりに税理士法が改正され、平成14年4月から新税理士法が施行された。
これによって、税理士法人創設制度が導入され、特別法人として税理士事務所の法人化が認められた。
会社組織として税理士業務が行えるようになったことはメリットの一つである。
税理士の活躍のフィールドが広がるかどうかは一概に言えないが悪い話ではない。
また今後、公益法人が原則課税となるなど税理士の仕事の領域が広がる可能性がある。
新興の税理士のなかには、コンサルタント業務やファイナンシャル・プランナー、社会保険労務士等の分野に進出しようと目論んでいる人も多い。
税務申告だけでなく、税務を軸としたコンサルタント業務や資産アドバイザーの分野や雇用保険や年金関係等の新たな領域に進出しようとしている。
税理士として地域で生きていくには、固定のクライアントを逃さないことが必須なので、コンサルティング業務や他の関連ある分野に進出することは当然のことである。
このように他の領域に進出するのは何も税理士に限ったことでなく、どのような資格の領域でもボーダーレス化が進行しているのは時代の流れである。
税理士は、前述したように、その8割が独立・開業税理士である。
一部企業等に勤める人もいるが、将来の独立・開業を目指しつつ、税理士事務所に勤務する人が圧倒的に多い。
しかし、公認会計士のように突然、企業からヘッドハンティングされるような華やかな世界とは無縁のようである。
バラ色の夢を抱いて資格を取得したが、現実は独立するまでは実務を覚えるために、比較的低賃金で会計事務所等で勤務する下積み期間があるといわれる。
資格を志してから独立・開業して生活が軌道に乗るためには、最低でも10年程度の期間が必要といわれる。
そのためには能力だけでなく、忍耐力も要求される。
もし、今あなたが会社勤めをしているのならば、会社の実務に生かすために税理士の科目を勉強し余力があればその次の科目を狙う。
20年計画で税理士を目指すという手もある。
定年間際に税理士資格を取得できれば、ちょうど税務署OBと同じ時期に開業できる。
人生80年時代を迎えた現代、第二の人生を税理士としてスタートするのも悪くない。
働く気さえあれば生涯現役でいられるのが税理士のメリットである。
税理士になるは
なる前も、なってからも何かと苦労の多い税理士であるが、では、なるべく苦労をしないで税理士になる方法はないものだろうか。
税理士にも、税理士試験を受けないで労せずして資格を取得できる制度がある。
さまざまな制約はあるが、国税税務職員や地方税務職員は、連続して23〜28年勤続すると無試験で税理士資格を得ることができる(科目免除という場合もある)。
長年培った実務能力を実社会に生かすという意味では良い制度であるが、OBとして行政官庁等にコネクションがあるので独立・開業しても最初からうまくいく可能性が高い。
かつて、2つの修士学位取得による無試験ルート、いわゆる「ダブルマスター」という制度があった。
会計系の大学院の修士課程を終了した者は、簿記論と財務諸表論を、また法科系の大学院の修士課程を修了した者は、法人税法と所得税法の2科目をそれぞれ免除されるというおいしい制度があったが、
この「ダブルマスター」という制度は廃止され、会計科目と税法科目について、それぞれ1科目ずつの受験が義務付けられた。
公認会計士や弁護士の資格を有する者が、無試験で税理士登録ができることは言うまでもないことである。
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