教育訓練給付制度は本当に利用しやすいか
「高質な労働市場」の形成に向けて/第1部 雇用創出と雇用喪失(データに表れた雇用構造の変化を読み解く―90年代以降、労働市場に何が起きたのか
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社会人の資格取得を強力にサポートしてくれるありがたい制度がある。
これを教育訓練給付制度という。
この制度は政府が社会人の主体的な能力開発への取り組みを支援し、雇用の安定と就職の促進を図ることを目的とした雇用保険の給付制度である。
受給対象者が、厚生労働大臣指定の講座を受講し、終了後申請手続きを行うと給付金が国から支給される。
給付を受けるためには以下のような制約がある。
(1)受給対象者
年齢に関係なく、受講開始日までに「雇用保険の被保険者となって通算で3年以上」が対象者の条件である。
連続3年以上である必要はなく、転職しても中断期間が1年以内であれば、また離職していても受講開始日から遡って1年以内であり、被保険者であった期間の合計が3年以上であればよい。
(2)終了証明書発行要件
通学講座
講義出席率80%以上(各校共通)、そのほか終了試験で一定以上の成績を課す場合がある。
通信講座
添削課題提出率80%以上、そのほか終了試験で一定以上の成績を課す場合がある。
(3)支給申請先
受講終了後1カ月以内に必要書類を持参の上、本人の住所を管轄するハローワークへ。
(4)支給額
被保険者であった期間
3〜5年の場合
5年以上の場合�月x給回数学校に納入した受講料の20%(上限10万円)
5年以上の場合
学校に納入した受講料の40%(上限20万円)
(5)支給回数
制度は何度でも利用できるが、一度使うと再び雇用保険の被保険者である期間が3年に達するまで利用できない。
(6)受給対象者要件等、問い合わせ先
厚生労働省職業安定局雇用保険課、または、本人の住所を管轄するハローワーク。
資格取得を目指す人にとっては、確かにありがたい制度に違いないが、またその分、制約も多い。
・給付制度対象の指定講座や指定校がある。
どんな講座や学校でも、対象になるわけではない。オプション講座などは適用外である
・1回利用してしまうと、その後3年間は使えない。
この制度は1人につき1講座に限り利用できる制度である。
一度利用すると、そのときの受講開始日以前の一般被保険者であった期間は、次にこの制度を利用するときには通算されない。
このため、過去の受講開始日以降の支給要件期間が3年以上にならな いと、新たな資格が得られない。
・真面目に講座を受講しなければならない。
当たり前のことだが、真面目に出席しなければならない。
出席率80%などの高いハードルがあり、途中でサボったり挫折することはできない。
その上、学校によって、終了時に確認の終了試験がある。
6〜7割程度の合格ラインを設けてある場合も多い。
・給付金が実際に支給されるのは講座終了後であり、前払いではない。また、手続きに手間がかかる。
当面の受講料は、当然のことだが本人で用意しなければならない。
講座を無事終了してから1カ月後をめどに支給されると考えておくと間違いない。
以上のように、給付制度を利用しょうと思ったらそれなりの心構えがいるし、制約面や手続きで面倒なこともあることを念頭に入れておきたい。
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