不動産鑑定士の収入は?
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棲み分けによって保革いろいろ
鑑定士試験には一次から三次までがあるが、事実上の第一ステップは二次試験だ。
その合格者たちの居場所は、大きく二つに分けられる。
ひとつは信託銀行、大手不動産会社などの鑑定部門の社員、あるいは用地買収などに携わる役人。
これらは仕事の必要上、鑑定の知識が求められる勤め人たちだが、多くの場合、資格取得が組織内の出世コースの中にメニュー化されている。
彼らは所属する組織の一員という自己認識が強く、安定志向が強い。
独立開業は、定年後などに小遣い稼ぎ的な目的でするケースが多い。
それ以外の二次合格者のほとんどは、鑑定士事務所に勤務することからスタートしている。
そこで実務経験を積みながら士補となり、三次試験の合格=不動産鑑定士としての登録を目指すというのが標準的なパターンだ。
ただし、大手といわれるごく一部の事務所以外では、勤務鑑定士を続けていても難関資格を取得した見返りがない。
どこかで鑑定士として独立を果たすか、鑑定士プラスαの能力を身につけて不動産仲介、ディベロッパーなどの世界に転職をはかるべきだろう。
事務所勤務で修業中の彼らは安定志向ではないが、総じて堅めの性格の持ち主が多いようだ。
山っ気のあるタイプが意外に少ない。
それと、最近、注目を集めているのが不動産証券化ビジネス。
投資信託商品に不動産を組みこむ際にその鑑定が必須なので、有能な鑑定士が求められているともいう。
この方面に関心を寄せている鑑定士たちには、いわゆる「やり手」が多く、山っ気ぶんぶん。
資格取得前から「金融的発想の不動産ビジネスのスペシャリスト」を目指して受験勉強を始める層も、すでにあらわれている。
めでたく独立を果たした鑑定士については、年収ベースで平均約1000万円だといわれている。
これは概ね実態を表わした数字だと考えてよい。
もちろん上下の幅はあるものの、補助者をうまく使う才覚と、自分もこまごました仕事までこなす覚悟と体力があれば、さらなる稼ぎも可能だ。
独立前の事務所勤務時代は薄給である。
どんなサムライ業でも丁稚奉公時代の待遇はよくないが、この世界は特にそうだ。
二次合格者の一般的な事務所勤務だと、年収300万円程度がザラである。
ここで2年間の実務経験を積んで士補になったとしても、年収400〜500万円あたりがボリュームゾーン。
鑑定士になるためには、こうした状況に耐えつつ、さらに実務補修を受けながら三次試験に合格しなければならない。
彼らはひたすら雑用的な仕事に従事させられ、ボスの考え方ひとつで勉強どころではなくなる日々を送る。
プライドの高い鑑定士志望者にとっては、この段階での辛抱が課題のようだ。
士補のままいたずらに年数を食ってしまったというケースをよく開く。
ごく少数の大手鑑定事務所の給料は、入所時400万円、士補で600万円程度とのこと。
さまざまな経験を積めるので、三次試験合格以後の道筋も比較的見えやすい。
ただ、こうした条件のよい事務所に入るにはかなりの競争を覚悟しなければならない。
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