「いい資格」「悪い資格」の見分け方
能力主義・実力主義社会の到来は、手に職があったり、特技をもつことが雇用に有利に働くという風潮を強めています。
その象徴として、資格の必要性を声高に叫んだり、現実に資格取得を望む人が最近では増えています。
「できるビジネスマン」をめざすとき、資格を取得すべきか否か、あるいはその資格をどう自己アピールに活用するのかを考えることは、無視できない問題です。
資格取得についてまず考えなければならないのは、本当に資格が必要とされる時代が到来しているのかという根源的な疑問です。
現在「資格」とされるものの数は1500程度といわれていますが、そのなかでも収入や雇用を確実に保証するものとなると、数えるほどしかないでしょう。
よしんばそれが国家資格であっても、大半が無用の長物になっているのが現実です。
その問題を見過ごして軽々に資格取得に走っても、将来の保証などまったく得られず、自己満足に時間を浪費しただけという結果になりかねません。
そもそも資格の価値は、時代によって大きく変わります。
収入や雇用を保証し、かつ容易に取得できる資格なら、たちどころに受験者が殺到して供給が需要を追い越してしまいます。
とくに雇用不安が強く、失業者の多いいまのような時代には、その傾向はいっそう顕著です。
すなわち、収入と雇用が安定して受験希望者も少なく、有資格者の需要が高まる好況時でもないかぎり、どんな資格を選ぶかという問題は真剣に考えるべきものなのです。
それでは、いまの時代はどうでしょう。
「いまこそ資格時匹と叫ぶ声は世間にもたしかにありますが、平成不況を背景に受験者の増えているこの時期は、資格取得のメリットは半減していると考えざるをえません。
一般的に、取得が困難な資格ほど収入も高く、雇用の際有利に働く傾向があります。
弁護士、公認会計士、医師などは、その最たる例でしょう。
しかし、これらの資格はそもそも容易に得られるものではなく、社会人となってからめざすには相応の犠牲も強いられます。
残業や飲み会の誘いは断り続けることになるでしょうから、社内的にはマイナス評価が下されるリスクを覚悟しなければなりません。
ものによっては会社をやめなければ受験さえ不可能な資格もあります。
そうまでして挑戦しても、その資格を必ず取得できる保証はまったくなく、結果的に失敗に終わって社内に残ることを余儀なくされれば、リストラ候補の筆頭にあげられるのはまちがいありません。
なんとかクビにならずにすんでも、出世争いからは確実に脱落しているでしょう。
それならば、受験勉強にかける時間をこれまで紹介したスキル・トレーニングに使ったほうがよほど現実的ですし、将来のための有効投資になるはずです。
資格取得の目的が「将来の保証」にあるのなら、このような発想の転換も必要です。
資格取得に必要な時間・費用と、その資格の将来や収入とをはかりにかけてみてください。
世間があおる「資格時代」という言葉に踊らされるのではなく、コストパフォーマンスを考え、本当の意味で人生に役立つ資格かどうかを見極めたうえで、取得するかどうかの判断をしたいものです。
なお、国家資格のように見えてじつは民間の資格というものもあります。
社団法人や財団法人が与えるグレーゾーンに含まれるものも含め、そうしたものはまったく就職の保証にならないことも珍しくありません。
せっかくの努力を水の泡にしないよう、あらかじめガイドブックなどでしっかりチェックしておきたいものです。
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