がんばりがきかないときのうつ病治療応用法
長い期間勉強や仕事を続けていけば、いいときと悪いときの波はどうしてもあります。
ひどいときには、勉強や仕事がまったく手につかない状態に陥ることもあるでしょうが、こうしたスランプから脱するのは、ちょっとしたコツをつかんでいればそう難しいことではありません。
勉強していても気分が乗らないなど、不安に悩まされている状態を改善する方法として、うつ病の治療法が参考になります。
「目の前の作業」をこなすことは、罪悪感や過度の悲観をともなう不安と緊張をほぐしてくれる。
スランプ状態は病とはちがいますが、物の見方が悲観的になったり、罪悪感を強く感じる症状を見ていると、うつ病との共通性を感じるのです。
うつ病の治療に効果を上げている方法として、認知行動療法があります。
悲観的な認知の原因になっている「認知の歪み」を、行動によって修正させるやり方です。
うつ病患者の場合、励ましは意味がないどころかマイナス効果しか与えません。
「がんばれ」といわれてもがんばれないので、「やっぱり自分はだめな人間なんだ」と逆に罪悪感を強めてしまうからです。
こんなとき、実際に体を動かすことでわからせるのが認知行動療法です。
できないと思い込んでいることもじつはできるのだということを、本人の現実の体験として理解させるわけです。
そうすることで、「認知の歪み」も少しずつとれていき、症状が好転するのです。
スランプのときも同じこと。
いくら自分で自分を励ましても効果があるとは限りません。
それよりも、体験することで納得するほうが確実で手っ取り早い方法となるのです。
認知に歪みが生じて悲観的になっているから「一日三時間の勉強などできない」と悩み、結局勉強をやらないことになります。
そうではなくて、20分はできた、40分もできたという「できる体験」を通じて「このくらいならできる」となれば、もうしめたものです。
その瞬間に不安や緊張がほぐれ、自分を取り戻すことができるでしょう。
もうひとつ、うつ病や不安神経症の治療に効果を上げている森田療法の活用法にも触れておきましょう。
森田療法の考え方は、基本的に「目の前にあることをやらせる」ことで、不安を自覚させないというものです。
未来不安や過去の後悔から不安が生じているのなら、そこに意識をもっていくのはマイナスです。
そうならないために、いまやるべき課題を自分に与え続け、悲観的な認知しかできない未来や過去を見すぎないようにさせるのが、この方法のねらいです。
たとえば、机の前に座ったとき、頭のなかを不安が駆けめぐって勉強が手につかないようなら、過去に行った勉強の復習をしてみるのもいいでしょう。
あるいは、資料を整理したり、鉛筆を削るだけでもいいのです。
こうして「いまやるべき作業」をやることによってよけいな不安が多少でも取り除かれたら、すぐに目的の勉強を開始します。
これが森田療法的なスランプ脱出へのアプローチです。
なお、スランプ対策としては、思い切って勉強を中断し、リフレッシュをはかるという解決策もあります。
スランプは何も精神的問題ばかりが原因となっているわけではありません。
体が疲れているため思うように動かないということも往々にしてあるわけです。
そんなときは、体がサインを出していると考え、ゆっくりと休むのもひとつの手です。
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