苦手な上司も怖くなくなる感情コントロール術
人間の思考は想像以上に感情状態に左右されるものです。
したがって、自分が陥りやすい感情のパターンを知ることは推論の歪みを矯正するうえで重要なポイントとなります。
そもそも人間の思考には、それぞれの人がもつパターンのよぅなものが存在しています。
感情に大きく左右されるのもそのパターンの一種で、こうした推論の歪みの仕組みを知って上手に対処していくことは、思考のみならず気分の改善、ひいては対人関係能力の向上にも結びつけることができます。
問題のある思考パターンをあらためるため、最近の認知療法の考え方では、とくに「自動思考」の矯正を重視しています。
自動思考というのは、もって生まれた性格、過去の経験、さらには、そのときどきの感情などに影響された無意識のうちに行われる思考のパターンです。
たとえば、日頃から上司に快く思われていないと感じている人なら、上司に呼ばれた瞬間に、「またしかられる」「リストラ話かも」などと無意識に考ぇてしまうことになりがちです。
ときにはなんの根拠もなしに無意識のうちに偏った推論を始めることもあるので、自動思考というのはなかなかやっかいな問題なのです。
こういうときは、認知パターンに歪みがあってもそれを疑えない状態に陥っています。
したがって、その偏った思考が人を感情的な反応、不適応な対人行動に走らせてしまうことが往々にしてあるのです。
このようなまわりとの乱轢を招かないためにも、偏った自動思考はいち早く修正する必要があります。
自動思考の歪みを修正するには、DTR(=非適応的思考の記録)と呼ばれるテクニックが効果的です。
自分の感情状態とそのときの自分の考えを記録する方法で、あとでこれを見返すだけで、自分の思考パターンがいかに感情に左右されているかを知ることができます。
このテクニックを利用するときのポイントは、自動的に認知が行われたと思われた瞬間、頭に思い浮かんだことをすぐに書き留めることです。
そして、それが起こると思った確率を「100パーセント」「80パーセント」などというふうに、数字で評価してみるのです。
この方法のメリットは、紙に書くことでその評価が正しいかどうかを冷静に考えられる点です。
人間は少しでも冷静になることができれば、「悪いことが起こる確率100パーセント」とは、そうそう考えないものです。
すなわち、他の可能性があることの自覚につながるというわけです。
これは、人間が情報を発信するとき、より客観的、冷静になろうとする心理を利用した、いわば悲観的思考の修正テクニックです。
こうしたメタ認知的な感情や思考のモニタリング法を習慣づけることは、問題のある偏った自動思考の内容を妥当なものにしていくうえで有効です。
さらには、感情状態を安定させ、対人関係能力の向上にも生かすことができるので、ぜひ活用したいものです。
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