「集中力が続かない」はプラス思考に転換する
目標をもっていざ事を始めても、意欲が続かないことはよくあります。
本書のような自己啓発書を購入するようなやる気満々の人でも、現実に勉強を始めてみると、必ずしも思い描いていたとおりにいかないのがこの種の勉強の難しさです。
思うように勉強を続けられない状態には、ふたつのケースが考えられます。
そのひとつめは、勉強をしていると途中で嫌になったり、眠くなったり、テレビが見たくなったりする、つまり気が散って勉強が続けられない状態です。
こういう人は概して、集中力がない、根気がない、あるいは落ち着きがないなどといわれています。
かくいう私も、長時間集中を維持することができないという欠点をもっています。
一時間集中が続くことは滅多になく、すぐに席を立ってはコーヒーを入れ、新聞を読み、あるいはアイデアをしぼり出すためにあたりをうろつくということを繰り返しているわけです。
幸いなことに、いっぺんに長時間続けられないというだけで、やるべきことそのものはそれなりに継続できているので、そのような場合はあまり問題にしなくてよいと思います。
私の場合はもともとそのような傾向が強く、大学受験のときも、机から離れて歩きながら暗記ものの勉強をしたものでした。
そのほうが自分にとってはものを覚えやすかったのです。
このことは日本医大の大脳生理学者、故・品川嘉也先生が、体を動かしながら記憶することを「理にかなったこと」と認めていたくらいなので、決して悪いことではないと考えます。
じつは、私のような症状は、最近注目を集めている子どもの精神障害の一種、注意欠陥多動性障害に通じるものがあります。
アメリカでは低く見積もっても、子どもの5パーセントがこれにあたり、そのうちの5分の1程度は大人になっても障害が残るといわれています。
それほどひどいケースでなくても、大人になってもイライラしやすかったり、落ち着きがない傾向が強いとされています。
注意欠陥多動性障害の診断基準を読む限り、重症ではないにせよ、私もそれにあてはまっているように思います。
それゆえに、いまでもじっとパソコンに向かっていることができず、すぐに席を立ってしまいます。
ここで私がなぜこのような話を持ち出したかというと、病的に落ち着きがない人であっても、勉強を続けていくうえでそれほど不都合なことはないということをあえて強調したかったからです。
現実に私の場合、実社会ではそれなりどころかまわりの人以上に仕事はできているし、日常的な勉強も平均以上のものをこなしているという自負があります。
注意欠陥多動性障害の人は、落ち着きがないかわりにいろいろな新しいことに興味をもつので、歴史上の偉人のなかにはこれにあてはまるような人が多くいたと考えられています。
たとえば、小学校に通えなかったものの大発明家として名を馳せたエジソンや、日本では坂本竜馬がこれにあたるとされています。
この病気に限っていえば、短時間しか続かない集中力をトレーニングによって少しずつのばしていったり、人より短い注意時間をいかに活かすかが克服のポイントのようです。
一方、落ち着きのない人間でも本当に面白いものなら集中できることは多い(エジソンを見ればわかるでしょう)ので、勉強とは苦痛なもの、苦労すべきものという先入観をまずさっさと捨てることが先決ではないでしょうか。
頭がよくなりたい、勉強をしたい、知的な取り柄をもちたいという場合は、とにかくあれこれ試し、本当に関心のもてること、面白いことをなんとしてでも探すのが一番です。
勉強は本来、楽しいものであることが理想です。
そして、自分が楽しめる、興味がわくジャンルを探すことが、動機を維持し、勉強を続けるための近道のように思います。
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