「集中力」の正体を知ればだれでも暗記名人
最近の心理学の考え方では、情報を入力する記銘段階がうまくいくかどうかは、「注意」と「理解」というふたつの要素で決まるとされています。
注意とは、人があるものに焦点を当てている状態をいいます。
これを長く維持することが出来る人を評して「集中力がある」というくらいですから、注意力が記憶力のよしあしに深く関係してくるのも当然といえましょう。
その反対に、一般的に高齢者のうつ病の場合、記憶力が落ちることがよく知られています。
抑うつ気分のために全般に注意力が落ちるのがその原因です。
このことは、「気もそぞろ」の状態でいれば、記憶もうまくいかないことを示しているわけです。
このふたつを対比してみると、注意力=集中力をつけることで記憶上手に変身できるという、記憶力アップのひとつのポイントを導き出すことができます。
さすがにつけ焼き刃の一時的トレーニング法はありませんが、長い時間をかけて集中力をつけていく方法ならたくさんあります。
以下に紹介する集中力アップのツボをぜひ覚えて実践していただきたいと思います。
集中力を高めるツボ − 趣味的な関心を優先する
人間の記憶は、生まれつきの能力の差以上に、注意の差によって記憶に残る量がちがうと考えられています。
とくに興味のあるものなら注意は自然とそこに向かい、多くのことを覚えることができます。
例としてはやや悪いかもしれませんが、学習障害者であってもある分野ですばらしい記憶力を発揮する人がいます。
本人が意識しているかどうかはともかくとして、覚える対象に対してすさまじい注意力を向けているからこそ可能なことです。
一見すると単純暗記に見えるものでも、鉄道マニアが駅や路線、車好きが車、ワイン通がワインの名前やヴィンテージを覚える能力に長けて見えるのは、同じ現象といえます。
その意味で、社会に出てからの大人の勉強は、記憶力アップのトレーニングとして最適といえます。
なぜなら、学生時代のようにカリキュラムにしばられることはなく、自分の好きなこと、興味をもてることに集中できるという利点があるからです。
ときには、仕事上やむをえず、興味のないことでもやらなければなりませんが、そういうときも、少しでも自分が関心のもてるテーマを優先して勉強すれば、それほど苦労をせずにすむでしょう。
うまくいけば、成功への大きなカキにつながるかもしれません。
集中力を高めるツボ − 強い動機づけをもつ
関心も興味ももてないならば、当然勉強には身が入らず、うまく記憶もできません。
困りた状態ですが、対策がないわけではありません。
どうしても身が克ちないときは、強い動機づけをすることでカバーするのです。
試験前に一夜漬けで勉強をした経験のある人ならわかるはずですが、人間はせっぱつまりた事情があれば、もともとは興味がなかったものに封じでも注意を向けることができるものです。
生活がかかっている、収入を左右する、異性にもてるようになりたいなど、動機づけの中身は人それぞれですが、勉強を始めるときにこれらを強くする意識することは注意力を増すいい方法になるわけです。
大人の勉強で成果を上げられるかどうかは、強い動機づけができるか否かにかかっているといえます。
裏を返せば、強い動機づけが可能な対象を勉強すること、それが成功の秘訣でもあるわけです。
集中力を高めるツボ − マイナス要素を減らす
あるテーマに関心があり、人一倍強い動機を感じていれば、それだけで充実した勉強ができるように思えるはずです。
ところが、これらの要素を備えているのにいっこうに勉強がはかどらない、という人も少なくありません。
その原因は多くの場合、注意力を阻害するマイナス要素にあります。
意欲や関心はあっても、関心の対象がほかにもたくさんあったりする場合や、不安や抑うつのような気分の不調などがそれです。
受験勉強のときなど、恋い焦がれている彼女や彼のことが気になって、肝心の勉強がいっこうにはかどらないということは往々にしてあることです。
ビジネスマンのケースでも、ひいきの野球チームやサッカーチームの試合状況が気になって、試合の最中は残業の能率がなかなか上がらなかったなどという話を耳にします。
集中を妨げるこうしたマイナス要素を減らすには、仕事や勉強以外のものを排除する禁欲的な生活が一番に思われるかもしれません。
しかし、現実には我慢することでかえって集中が乱れ、能率が落ちることが多いので、時間の配分を決め、勉強とそれ以外に関心を抱いているものの両方をこなしたほうが、結果は芳しいようです。
たとえば異性との交際など、週に一度は心おきなくデートするかわりに毎日の長電話をやめるというふうにできればいうことはありません。
ただこの場合、かえって恋人への思いがつのってしまうようなこともあるので困りものです。
こうなると、どう転んでも勉強を阻害するマイナス要素にしかならない交際そのものを考え直さざるをえません。
酷ないい方に聞こえるかもしれませんが、要するに、集中を妨げるよけいな関心事を減らすのが、注意を高める秘訣ということです。
なお、気分の不調による注意力低下の問題と対策は、あらためて別の箇所で触れることにします。
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