記憶の仕上げはアウトプット・トレーニング
入力がうまくいき、復習によって保持された知識も、実際に使う段階で出力がうまくいかなければ宝の持ちぐされです。
「のどまで出かかっているのに……」などということがよくありますが、肝心のときにそうならないために、記憶の出力段階である想起段階の仕組みを知って、記憶した知識を上手にアウトプットするテクニックも身につけておきましょう。
勉強したことを人に伝えれば、記憶した情報は必ず脳に定着する。
アウトプット・トレーニングは、じつは日本人に最も欠けている部分ではないかと私は考えています。
社会に出てからも、自発的勉強で知識量を高めている人はよく見ますが、アウトプット・トレーニングまで心がけている人はなかなかいません。
そのことは、日本人がプレゼンテーション下手、ディベート下手といわれることと、決して無縁ではないように思います。
ビジネスに不可欠なプレゼンテーション能力、また資格試験などにもいえることですが、覚えた知識は人に伝達したりテストで結果を出さないことには意味がありません。
したがって、この種のトレーニングにも積極的に励むべきなのです。
一発勝負で成功する人など、そうそういるものではありません。
また、本人は準備万端で臨んだつもりが、単なる知識の披涯になって相手に不快感を与えてしまった、無教養を見せてしまって失望させた、ということは現実によく耳にする話です。
せっかくのアピールの場が、一転して評価を下げる場になってしまうわけですから、これでは身も蓋もありません。
アウトプット・トレーニングの目的は、覚えた知識を必要とされる場面で使えるようにすることにあります。
具体的には、同僚相手にプレゼンテーションの予行演習をしてみたり、あるいはひとりでシミュレートしてみてもいいでしょう。
日頃から訓練しておくことは、失敗回避に役立つはずです。
資格試験を目的にした勉強などの場合は、過去の試験問題で腕試しをすることで、記憶した知識が自分のものになっているかどうかを確認することは容易にできます。
想起段階は、いわば記憶の仕上げ段階と位置づけることができます。
アウトプット・トレーニングを少しでも実行したかどうかで、得られる結果は必ずちがってきます。
日々の生活のなかで、機会あるごとにできるだけ試すように心がけたいものです。
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