本音で話せる自分をつくる
一般的に、精神分析医は患者の心や心の働きが読めるように思われていますが、これはまちがいです。
精神分析医が車や心の働きが読めるというのは、相手が隠し事をせず、本音をさらけ出しているという前提があるときにいえることで、本音を隠されたり、ウソをつかれた場合は、その道のスペシャリストといえどもそう簡単にはウソを見破ることなどできないものです。
ところで、人間にはもともと、相手が本音で接してくると、自分もつい本音をもらしたくなるという傾向があります。
思春期に親友ができるのはこの原理で、マスターベーションやファースト・キスなど、親にいえない秘密を打ち明けられたとき、自分のほうも同じく秘密を打ち明けることで深い関係が築かれるわけです。
これらの話には、深い人間関係を築くうえでのヒントが隠されています。
つまり、秘密を打ち明けるのをためらっているようでは、相手から強い共感を得ることはむずかしいということです。
その証拠に、最近は精神分析医の世界でも患者から得られる共感を重視し、自分の本音を見せつつ親身になって相手の話を聞く親友モデルの関係が注目されているくらいです。
競争社会の宿命なのか、ビジネスの世界でも本音をさらけ出すのを嫌う傾向があるのは否定できません。
しかし、公私にわたってしのぎを削るライバル関係のような場合はともかくとして、自分が犯罪でも犯していないかぎりは、他人に秘密を知られることで大損をする場面など現実にはそれほどないように思います。
もちろん、隠していたことを他人に明かすのは、たいへんな勇気を要する大問題にはちがいありませんが、必ずしもまわりが同じように深刻に受け止めるとはかぎらないということです。
結果として被るマイナスイメージなど意外にたいしたものではなく、むしろ深い人間関係がつくれずに他人に上手に頼ることができないで、隠すことから生じるデメリットのほうが深刻かもしれません。
だからといって、極端に開放的になり、だれかれかまわず自分の秘密を明かすのもおかしな話です。
目的はあくまで、本音をさらけ出すことで自分の心を軽くしたり、それを頼りになる深い人間関係づくりに結びつけることです。
少なくとも吐露した秘密を軽々に他に漏らさないような、信用できる相手を選ぶ必要はあります。
むろん、その相手が公私にわたって自分の弱点を補ってくれる能力の持ち主なら、いうことはありません。
それもこれも、すべては本音のつき合いから始まることを肝に銘ずるべきです。
信用できる人間と出会ったら、本音で話す。
当たり前のことように思えますが、これがまさに深くて頼りになる人間関係を築くための最強のテクニックなのです。
そして、これらのテクニックは、もちろん「ビジネス、生理戦」にも応用できることをつけ加えておきます。
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